文字 (テキスト) はテキストツールを使って操作します。 このツールはテキストを含む新しいレイヤーをつくり、 文字入れに使ったテキストボックスの大きさにし、 現在のレイヤーの上に置きます (上下関係はレイヤーダイアログで確認できる)。 入れた文の冒頭部分がレイヤーの名前になります。
図9.1 テキスト品目の例
テキスト品目の例、 テキストレイヤーの境界線が見えている。 (フォント名: Utopia Bold)
レイヤーダイアログと、 現在のレイヤー上に重ねられたテキストレイヤー。
テキストツールはどんどん進化しつづけています。 とうとう GIMP 2.8 から直に画像上でテキストが編集できるようになりました。 新登場のテキストツールボックスにより、 画像上のその場で展開するテキストボックスのすぐ側 (上隣) でツールも操作できます。
テキストツールで画像をクリックするとただちに閉じたテキストボックスが半透明なツールボックスつきで現れる。
テキストツールのオプションについては 「テキスト」 で説明しています。
ボックスモードは初期設定で「流動的」となっていて、 この場合は同時に文字入れを開始できます。 テキストボックスは文に合わせて[横に]拡大します。 Enter キーを押すと行が増えます。
テキストボックスはクリックで枠をつまんでドラッグで延ばせば選択範囲の操作のように 拡大 できます。 ちなみにこのあと自動的にボックスモードが「固定」に切り替わります。 行を増やすにはやはり Enter キーを押さなくてはいけません。
入れてある文を編集するにはとにかくまず変更したい部分を選択しなくてはいけません。 文を選択するには文字をクリックしてその部分のもう一方までドラッグする方法と、 同じく編集したい文の最初もしくは最後の文字で Shift キーを押しながら 上 下 左 右 矢印キーでもう一方の文字までカーソルを動かす方法があります。 そのあと 「テキストツールボックス」 のオプションを使います。
文字入れは画像上で直接編集する機能のほかに、 従来の「テキストエディター」ダイアログも利用できます。 「テキストエディター」 をご覧ください。
画像に入れた文字は 「Move」 ツールで移動できます。 ただし文字そのものをクリックせず透過部分をクリックすると背景が動くので注意が要ります。
ユニコードによる文字入れも可能です。 Ctrl+Shift+U で現れるコード入力ダイアログに 16 進数で綴ります。 詳しくは 「テキストエディター」 をご覧ください。
既に作ったテキストレイヤーは (下記に示す) 他のツールで加工される前であれば後からでも編集できます。 そのテキストレイヤーを レイヤーダイアログ で選んで活性化させ、 テキストツールを呼び出し、 そのテキストレイヤーの文字を画像ウィンドウでクリックします。
テキストレイヤーは他のレイヤーと同じ要領で操作できますが、 操作によってはその成果を失なわずにテキストを再編集する望みの無いことも覚悟せねばなりません。
テキストレイヤーには見たままの画素データだけではない情報が詰まっていることがわかると、 テキスト操作の特質を少しでも理解する助けになるかもしれません。 その情報とは、 テキストについてのテキストエディター形式による表現です。 テキストツールを使うときに現れるテキストエディターウィンドウ内で見られます。 テキストを変更するたびに画像のレイヤー上でもその成果が反映されます。
テキストレイヤーを作成したあとで、 テキストツールを通さない操作 (たとえば回転) をしたとします。 そのテキストをまたテキストツールで編集すると、 テキストツールはテキストレイヤーを再描画しますので、 それまでのこのレイヤーに対する操作の成果は破棄されることになります。
目立たない危険ですので、 テキストツールはそれに陥らないようにはからいます。 操作してあるテキストレイヤーのテキストを再び編集しようとすると、 メッセージが現れ、 それまでの操作が取り消されてしまうことを警告し、 つぎの 3 つの選択肢を示します。
そのまま編集を続行
断念
そのテキストレイヤーはそのままに、 テキストや属性が同じテキストレイヤーを新たに作成
このメニューは文字を
でクリックすると出てきます。 テキストエディターダイアログのメニューとはいくぶんその構成が異なります。貼り付け はクリップボードの中身が文や語句のときに利用できます。
: これらのオプションは選択してある文字に作用します。 選択されている文字がないときはいずれも灰色無効の表示になります。: このコマンドはファイルブラウザーを開きますので目当てのファイルを探し出しましょう。
: このコマンドはそのレイヤー内の文字を選択のあるなしにかかわらず全部消去します。
: このコマンドは現在のテキストの文字の輪郭をもとにパスを作成します。 しかしその結果はすぐには解りません。 キャンバスで表示するにはパスダイアログを開いて、 できたパスを可視状態に切り替える必要があります。 そのあとパスツールを呼び出してから文字をクリックします。 すべての文字や記号がパス成分で囲まれている様子が見られます。 つまりこのあとパスのコントロールポイントを操作すれば文字の形が加工できるのです。
このコマンドは画像ウィンドウのメニューの
→ と同じものです。このオプションは パス があるときだけ利用可能です。 文字を収めたテキストレイヤーを作ったら、 パスを作成するかもしくはインポートで生成してからそれを活性化します。 もし既に作ったパスを利用する場合は不可視になっていることが多いのでパスダイアログで可視化します。
このコマンドも同じものが
メニューにあります。パスダイアログ でも確認できます。 パスに適用できるオプションはすべてこのパスにも適用できます。
コマンドを実行します。 するとテキストはパスに沿ってうねるように綴られます。 それぞれの文字は輪郭だけが描かれています。 これらは新たなパスの成分になっていて、左から右への書式「LTR」と右から左への書式「RTL」: 使う言語の文字綴り方向をここで指定します。
: いくつかの言語は入力メソッドが選べます。 たとえば を選ぶと一時的にキーボードがイヌクティトゥト言語用に替わります。